第2章 朝、その後【主人公目線】
さて、どうしようか。
私はお互い試合もご飯もお風呂も済んでいて空いている夜に彼を部屋に誘った。のは良いけれども。
「告白のしかたが分からない」
私は正直、もう男の真似事は辞めたいのだ。今まで…幼少気からずっと男のなかで育ってきたからこのような口調としゃべり方なだけで。私だって、もう大人だし、女の人と恋話?だったり、ファッションとやらについて話してみたりもしたいのだ。まぁ、もうそんなキッカケは何処にも無いのだが。
そんなことをぐだぐだ考えていると、ナワーブに声をかけられた。
「あ!よぅナツ!お前、この次の試合じゃなかったのか?行かなくて大丈夫か?」
「え?」
私は後ろを振り返って時計を見てみる。すると、時計は試合開始五分前の時間を指していた。
「やっべぇ!!もう五分前じゃん!!ナワーブありがとう、ちょっと行ってくるわ!!」
ナワーブが「おう。気ぃつけて行ってこいよ。」と言った。ナワーブは私のお兄ちゃんに性格がとても似ているな。なんて、何となく思った。
エウリュディケ荘園。勝てば多額の賞金、願いを一つだけ何でも叶える。 私は、この条件を聞いてここにやって来た。
"あいつら"に復讐を果たせるのなら……私は命を危険にさらしても勝利をもぎ取ってみせる。