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ライバルなんかじゃない!

第1章 本文


「ここがオススメの服屋」
「俺、こんなところ来たの初めてだ」
「気に入ると思うけど⋯⋯」

 輝一は、輝二に服を選んでいた。輝一が手にしたのは、ちょっと大きめの服。

「やっぱり輝二は青が似合う」
「そうか?」
「そうだよ。これとこれ、どっちがいい?」

輝二は少し考え込んだ。輝一が手にしているのはどちらも青だが、Yシャツとカジュアルに着こなせるジャケット。

「俺はラフに着こなすのが好きだからな⋯⋯」
「じゃあこっち」

輝一はさっさと会計を済ませてしまった。

「なんだよ。どっち選んだんだ?」
「それはお楽しみ!」

物陰から、拓也はその様子を見ていた。

「もしかして拓也お兄ちゃん、輝一さんと輝二さんを尾行しているの?」
「だってよ、輝一が退院したら輝二⋯⋯俺のところに来なくなったしさ⋯⋯」

友樹は一瞬、爆弾発言を聞いたような気がした。

「あ、拓也お兄ちゃん。移動するみたいだよ?」
「やべ!追いかけないと!」

そういって拓也は、友樹を引っ張って連れて行った。外に出たところで拓也は誰かとぶつかった。
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