• テキストサイズ

雷鳴に耳を傾けて【鬼滅の刃】我妻善逸

第75章 静かな時


「善逸は炭治郎たちと暮らすんだね」
「………うん」
「いいと思うよ」
「……………うん」

善逸には家がある。
しかし、一人ぼっちで隠れ家にいるのは寂しいのだろう。皆と過ごす事を選んだようだ。
光希もそこを心配していたので、炭治郎たちが一緒にいてくれると知ってほっとした。


「光希、いつ炭治郎の家に来るの?」
「四日後くらいかな」
「仕事終わったのに、まだ忙しいの?」

「新しいこと、始めてるから」

にこっと笑いかける光希。

「自分でさ、何か始めるのってわくわくするね!今ね、すっごい楽しいの、私」
「よくわからんが、イキイキしてるな」
「うん!初めて自分でやりたい事やってる感じがする」
「なになに?何を始めるの?」
「あのね……」

光希は自分の新たな世界を語って聞かせる。
目を輝かせて喋る光希に、善逸は驚きつつも納得し、応援すると言ってくれた。

「しかしまあ……お前、終わったと思ったら、もう次を見てんのな。流石に速すぎるわ」
「そう?」
「まあ、光希らしいけどな」
「えへへ」
「手伝おうか?」
「ううん。まだ準備段階だし、策を練ってる途中だからいいよ」
「ん、わかった」

善逸は、光希に顔をずいっと近付ける。

「……で」
「え?」
「いつ、俺の嫁になるの?」
「…………いつ、とは?」
「戦い終わったよ?考えるんだよね?俺の事」
「か、考えてるよ」
「じゃあ、いつなのよ」

善逸が光希の手を握り、更にぐぐっと顔を近付ける。

「こらっ!ちょっと待って」
「俺、三ヶ月待ったけど」
「……そうね」
「待ちくたびれたよ」
「そうね……」

「んー、じゃ、あと少しだけ待ってあげる。俺は俺で……ちゃんと作戦進めてるから。そっちも、もう少し時間かかるしね」

光希が「作戦?」と首を傾げた隙をついて、善逸が口付けをする。

「楽しみだね、我妻光希ちゃん」

にやりと微笑みを浮べて、彼は笑った。


悪い予感しかしない……と、光希は冷や汗を流した。

/ 1083ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp