第74章 最後の仕事
屋敷に着いた三人。
輝利哉の前で頭を下げる。
「今日が最後の柱合会議だ」
輝利哉の言葉で、会議が始まる。
戦後処理をしながら都度報告はしていたが、今一度、皆で重要事項について確認し合う。
「あと、これは私からの提案です」
確認が終わりかけた頃、光希が輝利哉に紙を渡す。
そこには功績別の褒賞金などのことが書かれており、それは今までの会議で決めてきてはいたが、それに上乗せ追加する特記事項だった。
「冨岡、竈門、栗花落に関しては、彼らの功績と身体欠損を踏まえ、生涯にわたる生活保証をお願いします。最低限で構いません」
「うん、了解した」
「光希、俺は……」
「生きていけないでしょ、生活能力ないんだから」
「……心外だ」
「心外であることが心外です」
「不死川の功績も隊内最高ですので、ご支援願います」
「承知した。そのつもりでいたよ」
「おい、光希」
「それと、一般隊士についてですが、相談窓口…のようなものを作ったらどうでしょう。今後の人生で、金銭面や生活面で困ったときに相談できるような場所があるとわかれば、皆、安心して前を向けるのではないでしょうか。甘やかすのはよくありませんが、首を吊ってしまう前に救済できるような体制をお願いします」
「わかりました。私が担当しましょう」
「かなた様、ありがとうございます。適任かと存じます」
「いいと思う。では、かたなを中心に行おう。くいなもかなたを支えてくれ」
「はい」
「輝利哉様。産屋敷家の金も無限ではありません。必要な者の所へ必要な分が行き渡るよう、大切に使いましょう」
「うん」
「私もいつでも相談にのりますよ」
「頼む」
「私からの追加提案は以上です」
光希は紙をたたんでポケットに入れた。