第73章 年越し
「降りるか」
「うん」
善逸が声をかける。
「証拠隠滅しなきゃな。バレたら絶対怒られる」
「任せて。完璧に隠すよ」
「その辺の頼もしさは天下一だな」
「ふっふっふ。悪巧みこそ私の真骨頂」
二人はこっそりと屋根から降りていった。
光希は梯子の撤去と痕跡の隠蔽を手早くこなしていく。
しかし、眠さが限界だった光希。部屋に戻ると電池が切れたようにベッドに倒れ込んで寝た。どさくさに紛れて善逸もベッドに滑り込み、冷えた身体を温め合いながら二人は同じベッドで眠った。
そして翌朝、光希に「信じらんない!」と猛烈な説教初めをされる善逸だった。