• テキストサイズ

雷鳴に耳を傾けて【鬼滅の刃】我妻善逸

第72章 笑顔を見せて


善逸が診察を受けている間に、光希は目を覚ました。

手に持っていた花じっと見つめる。
少しくたっとしてしまった花を、指でくるくると回して眺めた。

吸飲みから湯呑に水を移し、花を挿した。


ベッドの縁に腰掛けたまま、目を瞑って何度か深呼吸をする。そのまま瞑想を始め、自分と向き合っていく。

ずっと避けてきたことを、少しずつ、逃げずにちゃんとやろうと思った。


いつかまた皆のところに行ったときに、胸を張って生きたと自信を持って言えるように。



そして、一つの覚悟をした。
新しい人生を生きるために。

光希は紙と筆を取り出した。


おそらく彼は納得しないだろう。
だが、光希も譲る気はない。


………ごめんな


これを突きつけることに、迷いはない。

心にあるのは、申し訳なさと、この先の彼の幸せを願う気持ち。
ただそれだけだった。


/ 1083ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp