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雷鳴に耳を傾けて【鬼滅の刃】我妻善逸

第69章 命の限りに


生き残っていた隊士が、隠が、……そして柱たちが、一人また一人と光に導かれるように集まってくる。

今まさに命が尽きようとしている者も、少しでも近くに行きたいと這いながら手を伸ばす。


『希望の光』


皆、失ったものが多すぎて、気を抜くと深い深い絶望の沼に落ちてしまう。

だからこそ、彼らはこの光に救いを求めた。


光希はそれらを全て背負う。



「くくくっ、さあ、ここに皆が来るぞ。絶対に逃さないよ、無惨」


光希は悲しみと怒りを押し込めて笑う。
背中が重い。たまらなく重い。


………でもこれが俺の役目なんだよね?師範


左手で握っている刀に問う。
桑島法子の笑顔が浮かんだ。



「炭治郎!善逸!伊之助!今ここに、お前らと居られることに一生感謝する!!出し切るぞ!!!」

「おう!」
「ああ!」
「おお!!」


三人の少年たちもその目に力を宿し、また立ち上がる。


炭治郎と伊之助が同時に斬り込む。
伊之助が無惨の攻撃を浴びて吹っ飛ばされた。

それでも更に追撃する炭治郎。そこを無惨が狙って管を伸ばす。

炭治郎を助ける為に、善逸は神速の二回目を放つ。光希はもう何も言わないし、止めない。善逸は無惨に斬られ崩れ落ちる。

仲間が倒れても、炭治郎は攻撃を止めない。もう一度、もう一度と、途切れることなく刃を振るう。

そこへ飛び込む光希。


「乗せるぞ!受け取れ!!」

炭治郎は渾身のヒノカミ神楽三連発を出す。光希は全ての神楽に逆転の呼吸を乗せ、炭治郎のヒノカミ神楽は凄烈に威力を増す。まるで技が意思を持っているかのように無惨に向かっていった。

ドギャッという音をさせて、最後の陽華突で無惨を壁に縫い付ける。


「そのまま踏ん張れ炭治郎!!」


光希が援護に駆け寄る。
が、無惨の管に弾き飛ばされる。


「っ!」

炭治郎が横目で光希を見る。

「集中!!!」

光希はそれだけ言って膝をつく。
崩れ落ちそうなところを、刀で支えてギリギリで踏ん張った。


―――倒れられないっ!俺が倒れたら駄目だ!!


「炭治郎の援護をせよ!!夜明けまで無惨をあそこに縛り付けるんだ!!!」


光希は朦朧とする意識の中、指示を叫ぶ。
震える左手で必死に刀を掴み、身体を支える。

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