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雷鳴に耳を傾けて【鬼滅の刃】我妻善逸

第69章 命の限りに


市街地に爆音が鳴り響く。


「終わりにしよう、無惨」


無惨と戦う炭治郎は冷静だった。

ここまで沢山の人が自分のところにまで繋いできたことを理解している。

それは十五の自分の腕では抱えきれないほど大きなものだというのもわかっている。

自分の力量が悲しいほどに足りていないのもわかっている。

それでも、立ち向かう。
それしか出来ない。
命の限り戦う。
皆がそうしてきたように。


決して逃げない。
自分も繋ぐんだ。

炭治郎はひたすら技を出していく。



光希は静かにその戦いを見ていた。


いつもすぐに戦いの中に飛び込んでいく光希。善逸たちがどんなに必死で止めても駆けていってしまう彼女が、目を凝らして戦う二人を見ている。


その目は次第に赤くなる。

怒りや悲しみを左手に込めて刀をぎりっと握りしめると、刀もゆっくりと赫く変化していく。



「炭治郎…技を…繋げてるのか……無惨の動き…僅かに遅い……心臓…脳……十二……衝撃波……吸息……管の伸縮速度……」

ぶつぶつと呟いている。

「……右目…赫刀……逆転…弐、参……、ヒノカミ…神楽!!」


そして、光希は戦いの中に飛び込んだ。
 

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