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雷鳴に耳を傾けて【鬼滅の刃】我妻善逸

第68章 仲間と共に


「我妻!!」

義勇が叫んだ。


「光希を連れて一旦下がれ!手当を受けさせてこい!!」

光希の側に走り込む一つの気配。


「違う!!」

姿を消した善逸が彼女を抱きかかえようとした時、光希が叫ぶ。


「……はぁはぁ、善逸はここで柱の援護だ」
「おい、光希、」

「カナヲ!カナヲ来てくれ!!」

光希はカナヲを呼ぶ。
近くに人の気配を感じる。


「カナヲに連れてってもらう」


善逸は姿を消したままショックを受ける。

……俺じゃ駄目なの?

涙を浮かべてプルプルと震える。


「違うよ、善逸。ちょっとカナヲとやりたいことがあるんだ」

善逸の姿は見えないはずだが、光希は見えているかのように話す。


「ならば我妻と胡蝶の継子、二人で光希を連れていけ!」 
「俺のために二人もここから連れていけない!」
「いいから行け!我妻走れ!!こいつを助けることに関しては一切迷うな!!」

義勇が声をかけ、善逸は光希を抱えて高速で走る。
カナヲもそれに続く。


「こら!俺は総司令官だぞ!!命令違反すんじゃねえ!」


光希が叫ぶ。
構わず善逸は走る。


「撤退を許すと思うか?」

無惨の管が追いかける。


「思わねえけど、止めようとすんのを止めてやんよォ!!」

不死川が無惨の管を弾く。
悲鳴嶼、伊黒、義勇も続く。



戦場から離脱した善逸は、額の紙を取る。


「誰か!誰か来てください!!解毒剤を!!」

光希を抱きかかえたまま叫びながら、救護班を探して走る。


カナヲも紙を取る。


「善逸!走る振動が光希に伝わる!ここに下ろして、走って探してきて」
「わかった!カナヲちゃん、光希を見てて!」
「うん!」

善逸は光希を下ろして走り回る。

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