第68章 仲間と共に
「義勇さん!!」
光希が義勇に駆け寄る。
「いくよっ!!」
「ああ」
もう敬語を使わない光希。
それに対して何も言わない義勇。
そのまま二人は共闘を始める。
「赫刀いいなぁ!」
「俺とお前じゃ……ならないな」
「俺の力が足りねえんだな……ちっ!同じくらいの力で当てないといけないのか」
共闘で技を乗せる際に光希と義勇の刀は当たるものの、彼女の刀は赫くはならない。
それでも逆転の呼吸で義勇の技が格段に強くなるため、赫刀を使う義勇が無惨に斬り込むことができる。
義勇と光希の連携技。
二人は、なんの打合せもなく技を出しまくる。
光希の紫紺の鞘には、義勇から贈られた水色の記章が揺れている。
一方、義勇の使う水色の刀は、先程光希から手渡された物だ。
そして二人が使うこの二本の刀は、どちらも光希の師範…元水柱である先代総司令官が遺した物……
全てが導かれるようにここに繋がった。
その絆を心に刻みながら、光希と義勇は戦場に立つ。
相手を信じ、己を信じ、迷いなく呼吸を合わせる。長い時間を共有したからこそ出来る信頼に溢れた動き。
並び立つ二人の水の剣士。
その堂々たる戦いぶりに、周りのものは皆見惚れた。
悲鳴嶼、不死川、伊黒と共にガンガン攻めまくり、少しずつ無惨を追い詰めていく。