第68章 仲間と共に
姿を消した状態で伊黒を見事に助け、攻撃にも参加し始めた善逸、伊之助、カナヲ。
しかし、派手に動いたが故にその存在を無惨に悟られた。
それに気付いた光希。
「来るぞ!!防げ!!」
見えない三人に指示を出す。
攻撃に備えていた三人だが、無惨からの攻撃は躱しきれず、紙を切られ姿を現す。
「くっ……」
「いだァァ!!やだァァもォォ!!」
「いっ…てェェェ!!この糞虫が!!」
出てきた三人に攻撃を仕掛ける無惨。
善逸に迫る管を弾く光希。
「ぎゃぁぁぁっ!光希っ!!」
「泣くなって!ほら、もっかいだ!紙持って!」
「痛いー!」
「皆痛いんだっつの!」
そのままカナヲの援護に回る。
「光希!怪我は!」
「大丈夫だ!隠れて!」
「うん!」
伊之助が紙を撒き散らして叫ぶと、無惨からの集中攻撃をくらう。あわやというところを伊之助がくぐり、光希は攻撃を弾いた。
「うわいィィ!」
「ひぇぇ!危ねえ!伊之助、喋ってるとやべえって!」
三人はまた“眼”を使って姿を消す。
「あいつら……生きていたか!!」
悲鳴嶼が安堵する。
「あたりまえでしょ!俺の自慢の同期だからね!!」
光希はにいっと笑った。
「反撃だ!!この機に攻めるぞ、柱達!!」
光希の呼びかけに柱たちは「おう!」と応える。
善逸たちが姿を隠したまま連続攻撃をする。
その時間を利用して、悲鳴嶼が武器を当てて赫刀にする。
犬猿の仲の不死川と義勇も刀を合わる。するとジジッと音を立てて二人の刀が赫くなる。
現在戦闘中の柱の刀が、全員赫刀になった。
「よし、いいぞ!! 義勇さん、よかったね!友達できたじゃん!」
無惨の攻撃を躱しながら光希が声をかける。
「友達じゃねェェ!!」
「仲良くしてあげてよ、実弥さん!!」
「誰が仲良くするかァ!!」
不死川が戦いながら思わず光希に突っ込む。
「カアアア!!夜明ケマデ一時間三分!!」
「三分て、細けえな!おい!」
「余裕余裕!糞味噌にしてやらァァァ!!」
光希と不死川が、高らかに笑った。
実はこの二人、よく似ている。
だから衝突して喧嘩するんだろうな、と戦いながら義勇は思った。