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雷鳴に耳を傾けて【鬼滅の刃】我妻善逸

第68章 仲間と共に


挑発された無惨は青筋をたてる。

「どのみち、お前は言わないだろう」
「そうかな?決め付けはよくないぜ?」


「師の所へ送ってやる。今すぐ行って己の愚策を詫びるがいい」

無惨が光希に攻撃をしかけた。



その瞬間、光希は納刀した。
鞘を右手に持ったまま、無惨の管を躱していく。


皆、驚いてその様子を見る。

攻撃は捨て、完全に躱すことのみに集中している光希。あれもこれもは無理と判断したのだ。

管を良く見て、的確に躱していく。
力は足に集中させている。

躱し続けていくうちに、光希は自分でも理解し難い世界へと入っていく。脳が思うより前に身体が動く。最小限の動きで無理なく攻撃を躱せるようになってきた。



しかし、無惨は光希の退路を全て経ち、致命傷を与える一撃を打ちにかかる。


「光希ーーっ!!」

危機を察して義勇が叫ぶ。



その瞬間、光希が今までとは比べ物にならない程の速さで動き、無惨の一撃を躱した。


「なにっ!」


無惨も驚く。
先程の攻撃は、避けられるはずがなかった。にも関わらず彼女は空中で旋回し、ひらりと避けた。


「なに驚いてんの?」
「お前……」
「まだまだ、だろ?」


不敵に笑う光希の目は、赤く変化していた。


「ほらほらもっと遊ぼうぜ、無惨」


光希は血が騒ぐのを感じる。
なんだこれ……そう思う。無惨の体が透けて見え、周りの速度がやけにゆっくりでよく見える。

身体が燃えるように熱い。だが、羽でも生えたかのように軽い。



義勇は、猗窩座と戦っていた時の炭治郎を思い出す。彼も同じように俊敏に動き、目が赤くなった。様子こそ違えど、おそらく同じことが今、彼女に起きている。


そして、もう一つ。


「お前、痣を出したか……」
「さて、どうかな」

無惨の問に、光希が答える。


光希の顔や手に痣は見られない。
見えてないところに出たのか。それとも痣とは関係ない部分での覚醒なのか。それは光希自身にもわからない。


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