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雷鳴に耳を傾けて【鬼滅の刃】我妻善逸

第67章 知以滅殺


不死川の闘志を燃やす激しい戦いに悲鳴嶼が加わる。
それでもまだ黒死牟の方が上だ。

戦いの中、不死川も悲鳴嶼も痣を出す。
それでもまだ、黒死牟の方が上だ。

「ざっけんなよ、こいつ。うちの最強一番二番だぞ」

光希が悔しそうに呟く。
黒死牟のとんでもない間合いと剛力に、有効な攻撃の糸口すら見付けられない。


「光希さん……」
「さんは要らない。何だ」

くいながおずおずと光希に呼びかける。

「上弦の壱の元へ、他の柱を向かわせますか?冨岡義勇、竈門炭治郎の二人は行けます」


「………輝利哉、どう考える」


光希はすぐに答えずに、輝利哉に振った。
ここまで瞬時に指示を出してきた光希の初めての行動だった。


「………義勇と炭治郎はそのまま無惨の元へ」


輝利哉が静かに喋り始める。


「上弦の壱は、行冥と実弥、無一郎と玄弥の四人が必ず倒す」


そして、彼は自信をもってそう言い切った。
光希が目を細めて微笑む。


「どう思う、光希」
「俺も全く同意見だ、輝利哉」


「でもよ、光希。もし打ち損じたら」
「こちらは柱を三人失い、敵は壱と無惨が残る」
「最悪じゃねえか!」
「だな」

「………信じてるってことかよ」
「ああ」

光希は宇髄をじっと見つめる。


「ここ一番の大勝負では、命の炎を燃やし尽くせる者が最強だ。人間だけに与えられた必殺技。その力は鬼を上回る。勝てる」

………命と引き換えにな


最後の一言は心の中だけで呟き、光希はすぐさま机に視線を戻す。


「伊黒と蜜璃が苦戦してるな……、やっかいだなこいつ。早くなにか……ん?」

愈史郎が何か動いている。


………よくわからないけど、あいつは頭がいいだろうから任せるか


また地図を見ていく。



「………え?おい、待てっ!!こらっ!!」

光希が声を上げる。

「どうした?」
「小隊二班、無惨に近過ぎる!」

「え、あ、いつの間に!」
「引かせろ!!駄目だ!!」

「撤退命令出します!」
「距離を十分に取った上で待機だ!!」


………危なっ!やっぱりしっかり見とかないと駄目だ。怖っ……!


光希は青ざめる。

戦いに気を取られていたことに反省し、また全体を見ていく。


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