第67章 知以滅殺
「……参かっ!義勇と炭治郎…、もう一人欲しい。支援に回れる隊士があと一人」
「光希、近くに柱も隊長も居ない」
「わかった」
………頑張れ、頑張ってくれ。炭治郎、義勇さん!
光希は全く表情には出さないが、手に持った鉛筆をぎっと握りしめる。
………参は確か炎柱の……、炭治郎、冷静にいけよ
深い呼吸をして、心を落ち着ける。
………伊之助、急いでくれ。カナヲ、落ち着いて、とにかく今は時間を稼げ……
宇髄がそんな光希の顔を覗き込む。
それに気付いた光希は、平然とした顔でメモ用紙に書く。
『いっぱいいっぱい』
すると宇髄は『飛び込んでこい俺の胸に』と書いた。
『いらねえよ』
『さあ来い』
『もう外いけ』
『嫌だ』
そして宇髄は光希を見つめて『離れない』と指文字で伝える。男前な笑顔を添えて。
メモ用紙に『ばーか』と書きながら、光希は宇髄に感謝した。