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雷鳴に耳を傾けて【鬼滅の刃】我妻善逸

第67章 知以滅殺


善逸が獪岳を倒した。
光希を覆っていた緊張が僅かに和らぐ。

「かなた、報告を」
「はい」

「我妻善逸!上弦ノ陸、撃破ァァァーー!!」


城内に朗報が響き、隊士達が沸き立つ。
しのぶの訃報の後なので、この一勝はかなり大きな意味を持つ。

柱でもない隊士が上弦を一人で打ち破った。
それは皆の「勝てる」という希望に繋がった。



「あいつ、やるじゃねえか」
「でしょ」
「上弦撃破第一号があいつとはな」
「へへ」

光希に少しだけ笑みが溢れる。


………あいつにとっては喜ばしいだけの勝利ではないんだろうけどな。頑張ったな、善逸




「無惨ヲ発見!!」

鴉が叫ぶ。


「……っ!」
「どこだ!」

「こりゃ……かなり奥だな。やっぱり隠し戸の中にいたか。かくれんぼは終わりだ」

目を細める光希。


「柱を無惨の所に誘導しろ!」
「はい!」

「柱が到着するまで、隊士は決して近寄るな!」
「はい!」

光希の指示で、かなたとくいなが指令を出していく。


「天元、ここだと義勇が近いか?」
「いや、冨岡より不死川の方が近いが……」

「まずいな、柱が皆遠い。珠世がいつまで持つか。くそっ、とにかく隊士を待機させつつ、」

そこへまた急報が入る。

「上弦の参、現れました!冨岡義勇と竈門炭治郎が遭遇!戦闘開始です!!」


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