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雷鳴に耳を傾けて【鬼滅の刃】我妻善逸

第63章 恋慕


鬼殺隊本部に戻った光希はとにかく多忙な生活を送っていた。

数日後に生理が来たので、気にしているであろう善逸に報告の手紙を出した。

隠れ家を出た翌日に、善逸から「写真をありがとう」の手紙が来たので、その返事となる。



仕事の合間を縫って、宇髄と共に隊長候補生との軍議を行う。

悲鳴嶼が柱稽古を始めたのと入れ代わりで、副司令官である宇髄が光希の側に戻っていた。

流石に鬼殺隊最高位の光希を一人にするわけにはいかない。光希は不要と言うが、要は護衛である。


軍議は毎回盛り上がり、皆も楽しそうに兵法を覚えていく。隊士との信頼関係も出来始めている。

しかし、信頼関係だけでないものも生まれてきつつあるので、宇髄がうまいこと睨みをきかせている。
光希も隊士からのそういった好意に気付いているので、その辺の対応は宇髄に任せている。



軍議以外の二人といえば。


「だから!ご飯が多いっつってんの!」
「食えって言ってんだ!この貧血野郎!!」
「はぁ?食ったら食っただけ血になるとでも思ってんのか?食い過ぎで胃腸がやられたら本末転倒だろが!」

悲鳴嶼の時と違って、いつも喧嘩している二人。周りの人間も苦笑いだ。



「……あと少ししたら貧血じゃなくなるから、大丈夫だ。痛いところは過ぎた!」
「終わるまでは鍛錬禁止だぞ」

「稽古してえのに、天元さんは稽古つけてくんないし……。悲鳴嶼さんはいつも稽古してくれたのにな」
「へえへえ、俺で悪うございましたね」
「……どうすっかな」

「冨岡を呼べばいいだろ」
「そうだなあ……、って師匠呼べねえよ。義勇さんとやるなら俺が出向いてお願いしなきゃな」
「……お前の方が立場が上だろ」
「まさか。師匠は師匠だよ。一生な。うーん……」

光希は腕組をして考える。


「……あ。いいこと思い付いた!」


にやにやとする光希に宇髄は嫌な予感が止まらなかった。


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