• テキストサイズ

雷鳴に耳を傾けて【鬼滅の刃】我妻善逸

第62章 最後の夜


善逸は、光希を抱きあげて居間に行く。

布団を敷いて、そこに二人で寝転がった。


「今日は徹夜するんだろ?」
「……眠い」
「起きてなきゃ駄目なんでしょうが」
「そう、なんだけどね」

光希が眠そうに目をこする。


「明日、……いやもう今日か。冨岡さん何時に迎えに来るの?」
「わかんない。午前中だとは思うけど」
「お前が冨岡さん家に出発したときのことを思い出すな。……いつもあの人がお前を連れてっちゃうんだ」
「あはは、義勇さんが悪いわけじゃないのに」

光希はころっと反転し、うつ伏せになる。両手を付いて胸を上げて、手の上に顔を載せて善逸を見つめる。


「善逸の方が眠そう。私に遠慮せず、寝ちゃっていいよ。鍛錬で疲れてる」
「寝ない!」
「……はいはい」

善逸は身体を光希の方に向けて、上になってる手で光希の髪を撫でる。
風呂に入ったので、光希の髪はまっすぐに戻っている。


「明日、私、荷物持ってくね」
「………いいじゃん、置いてけば」
「うん……、でも残していっても困るでしょ」
「困らない。ちっとも困らない」
「ん……、じゃ置いていかせてもらおうかな」
「おう」


………本当に居なくなっちゃうんだな


善逸の胸がズキッと痛む。



「光希の部屋は、そのままにしておくから」
「……うん」
「いつでも帰ってきていいからね」
「はい」


光希が寂しそうに微笑む。
善逸はぽんぽんと光希の頭を撫でる。



「……題名、決めたよ」

「ん?」
「新曲の題名」

「へぇ…何?」


ふふふと善逸が笑う。

/ 1083ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp