第62章 最後の夜
注意⚠引き続き微裏表現で進んでまいります。
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彼女の上に覆い被さり、善逸は一度だけ泣いた。
想いが溢れて、眉を寄せ、歯を食いしばり、目をぎゅっと閉じてぽろぽろと涙をこぼした。
「……うぅっ、……くっ…、……ふっ…」
「はぁ、はぁ……、……善逸…」
彼は声を殺して泣き、涙が光希の顔にぱたぱたっと落ちた。
光希はとろけた脳みそで、息を荒くしながらそれをぼんやりと見ていた。
そんな光希に、善逸はまた眉を下げて少し困ったような顔で「ははっ」と小さく笑う。幼さの残る善逸の優しい笑顔。
善逸は腕で乱暴にぐいっと涙を拭うと、また律動を再開する。
………これが、最後なんだな
己と光希の身体に、……いや、その先にある魂に刻みつけるかのように、がむしゃらに抱く。
光希はたまにふわっと意識を飛ばしているようだったが、そんな善逸の想いに応えるように、すぐに戻ってきて彼と共に享楽にふける。
体力の限界までまぐわって、そのまま身体を寄せ合いながら風呂場でぐったりと寝転がる。
善逸の閉じられた目から、またひとつ涙がこぼれた。