第61章 夜※
「……っ、もうっ!こらっ!駄目だってば!」
善逸は、歯を食いしばって光希の肩を押す。
「んっ……」
光希の口が善逸から外れる。
「はぁ、はぁ、駄目でしょ!」
「駄目なの?」
「出ちゃうだろ!」
「いいじゃん」
「駄目!」
しかし口は外れたが、手はまだ添えられている。
先走り液でヌルヌルしているそこに、にやりと笑みを浮べた光希が刺激を再開する。
上下のしごきだけではなく、親指の腹で裏筋やカリ部分をくるくると捏ねまわして刺激を加えていく。
「こ、こらっ!……くぅ、……っ」
「残念でした」
「ちょっと、本当にやばいって……んっ…!」
善逸が仰け反った隙を狙って、また口に咥える。
舌と唇の刺激が追い打ちをかけていく。
「ひぃっ……、も…本当に…俺っ…ううっ…」
善逸は諦めたように、きゅっと目を閉じる。
「……あっ、逝くっ!…っ、うぁっ…!」
ビクビクッと身体を震わせて、光希の口の中に精を放つ。
善逸の若い精液が、肉棒の震えに合わせてビュクビュクと飛び出してくる。
「……っ、はぁっ……はぁ、はぁ、……」
善逸は、呼吸を荒くして光希の後頭部を見る。
光希はゆっくりと善逸から身体を離す。
「……はぁ、はぁ……、吐き出せよ」
「………」
「無理して飲まなくていいよ。ほらその辺に、ぺってしろ」
「………」
光希は片手で口を抑えたまま、吐き出さない。
「……もう」
善逸が呆れたような、怒ったような声を出す。
「……っ、…………ケホッ。……ふぅ」
ようやく飲み込めた光希が一つ咳をする。
「……えへへ。房中術」
「それは出来るようにならなくていいって言った!」
「練習あるのみ」
「もうっ!」
善逸は光希を押し倒す。
「善逸、怒った?」
「怒った」
「精液はたんぱく質なんだよ」
「……っ、知るかっ!」
じろりと光希を睨む。
「……もう、休憩は無しだからな」
そう言って口を尖らせるので光希が笑う。
「私、駄目って言われるとやりたくなるの」
「……ああ、そうか。嫌だとかやめてって言えばよかったのか。……しまった」
そう言って、善逸も眉毛を下げて少し笑った。