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雷鳴に耳を傾けて【鬼滅の刃】我妻善逸

第60章 判断


「入れるよ?昨日も一人で入ってるよ」
「溺れなかった?」
「湯船には浸かってないもん」

「……ちゃんと身体を温めなきゃ駄目だ」

善逸が光希に近付く。


「一緒に入るぞ」

「えっ……、」
「一人じゃ危ない」
「や、でも……、」
「いいから。一緒に行こ?」

善逸が光希の手を取って立ち上がらせる。


「……いいよ」

光希がポツリと答える。


「え、」

絶対に嫌だと騒ぐと思っていたので、逆に善逸が驚く。


「私が先に入るなら、いいよ」
「……いいの?」
「善逸が誘ったんじゃん」
「うん。でも、」
「いいよ。私も湯船浸かりたかったし。行こ」

光希が風呂場に向かって歩き出す。


――…最後、だからか

善逸の背筋がひやりとする。
とりあえず光希を追いかけて風呂場に行く。


脱衣所と浴室の灯りを付ける。
薄暗い中で「いいよって言うまで入ってきちゃ駄目!」と光希が言い、脱衣所の外に追い出される。

善逸は心中複雑ではあるが、光希と入浴出来ることに喜びも感じていた。


しかし、義勇に遠回しに情交を止められている。

一緒に風呂に入って、自分は我慢できるのだろうか。正直言って自信がない。

どうしたものか、と思っていると風呂場から「いいよー」と声がかかった。


ドキッと胸が高鳴り、ゆっくりと着物を脱いで風呂場に入る。

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