• テキストサイズ

雷鳴に耳を傾けて【鬼滅の刃】我妻善逸

第59章 血


途端に眠気が襲ってくる。
そんな中、布団に横になりながら光希が喋る。

「義勇さんは……大丈夫ですか?」
「………」
「無理してる」
「お前が気にすることではない」
「俺はガキだけど……恋愛のこともまだまだ疎いけど……、寂しいのはわかります」

「あいつが、自分で決めてやっているんだ。俺は、見守るだけだ」
「でも…寂しいでしょ……」
「……、寝ろ」
「寂しいのは…嫌だな……」

瞼が落ちてくる光希。


「言いたいこと…言って…おいて……くだ…ぃ」


最後の方はほとんど聞き取れなかった。
しかし、先程の二人のやり取りを見て、義勇も覚悟をしなくてはと思った。


「お前は、凄いな」

眠る光希に声をかける。


「俺はまだ、お前のように覚悟を決められない」

すると、閉じられていた光希の目がゆっくりと開く。


「言っておきたいことを、ただ素直に全部言えばいい。覚悟は後から付いてきます」


「……狸め」
「どっちかって言うと、俺は狐です。眠いのは本当。……おやすみなさい」


今度こそ光希は眠った。


義勇は小さくため息をつき、彼女の目にかかる前髪を払い、熱がないかを確認する。

手首で脈をとり、容態を確認していく。


「おやすみ、光希」

義勇は、立ち上がる。


「……ありがとう」

そう言い残して部屋を出ていった。


/ 1083ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp