第7章 冨岡邸
「……え?終いって…」
義勇の言葉の少なさには慣れてきたが、なんのことかわからなかった。
「あとは自分で勝手にやれ」
そういって屋敷に向ってすたすたと歩き出す。
慌てて追いかける光希。
「ど、どういうことですかっ!」
「何がだ」
「何がって……俺はもう義勇さんに教えてもらえないんですかっ!」
「全て教えた」
「でもまだっ……」
「甘えったれるな!」
義勇のどなり声でビクッとする光希。厳しい言葉にはもう慣れたが、ここまで突き放されることはなかった。
「屋敷には居てもいい。鍛錬も好きにやれ」
そう言うと、義勇はくるりと身体の向きをかえ、歩いて行った。
光希はその日、冨岡邸に帰らなかった。