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雷鳴に耳を傾けて【鬼滅の刃】我妻善逸

第57章 拾壱ノ型


「……お前、俺の継子になるか」
「えええええっ!今更っ?!継子は面倒くさいから嫌だって言ってたのに?」

「修行は終わったから、継子にしてやってもいい。面倒くさいところは終わった」
「猛烈に意味わかんないです」

「なるのかならないのか、どっちだ」
「なりますよ?なりますけど……なんなんだろう。違くね?継子ってなんなんだ。よくわかんねえ」

「よし、お前は今日から俺の継子だ」
「申請してもらってないですよー。如月さんか悲鳴嶼さんに申請書出してくださいねー」


「……なら隠し子だ」


義勇がそう言うから光希が盛大に吹き出す。


「あっははは!隠し子なら申請いりませんね!てか、どんだけ申請すんの嫌なんですか!」
「面倒くさい」
「書類一枚ですよ?そこは頑張りましょうよ!愛弟子の為に!」
「嫌だ」
「あははは!」

腹を抱えて笑う光希。
相変わらず無表情の義勇。

やはりどこまでも対照的な二人。
しかし、二人の間に流れる空気は強い信頼で溢れていた。



光希は義勇と共に山を降りる。


「稽古、ありがとうございました」
「ああ」
「またお願いしますね」
「ああ」


「記章、どこに付けよっかな。へへへっ」
「お前は付けないんじゃなかったのか」
「付けますよ!義勇さんに頂いたんですから。隊服には付けられないけど、必ずどこかに身に付けてますからね」

光希はそう言って笑う。



今更、継子にしてもらった。
記章ももらった。
認めてもらった。

順番も何もかもめちゃくちゃだが、義勇からもらった沢山の物が、これからの光希を支えていくことは間違いない。

この人に付いてきてよかった。
声をかけてもらって、本当によかった。



記章を入れている胸元がぽかぽかと温かい。

朝、あれほど張り裂けそうに痛んでいた胸が、ほんわかと癒やされていく気がした。

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