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雷鳴に耳を傾けて【鬼滅の刃】我妻善逸

第56章 探しもの


「たぶん、鍵は俺の血だと思うのです。これだけ繋いできてるんだ。何かある。でも、人の血を禰豆子に飲ませるわけにはいかない」
「ある意味、稀血なのかもしれないな。竈門家にだけ効果のある稀血」
「かもしれません。これは少し、しのぶさんと相談してみます」
「そうだな」


「何故如月家はそうまでして竈門家に寄り添ってヒノカミ神楽を守るんだろ。恩でもあるのかな?それか何か弱みを握られてるとか?」
「それも書いてないのか」
「はい。他の本に書いてあるのかな。それか、口伝で伝わってるのか」
「…………」

「口伝だと、きついですね。俺、何か聞いてたかなぁ。覚えてないなぁ」
「五歳じゃ無理だ。……他の本を探すぞ」
「はい」


光希は読んでいた本を机の上に置き、また積み上げられた本の山に向かう。


「やっぱり俺の家、鬼と関わってた」
「予感があったのか」
「ええ、かなり強く。……俺は何者なんだろう。俺は一体何が出来て、何をすべきなんだろう……」


光希と義勇は、てきぱきと本を仕分けていく。
全ての本を引っ張り出して仕分けた。


「多かったな」
「本当に。ほとんど趣味のものでしたけど」
「ここは父親ではなく母親の書斎なのだな」
「そのようですね。母様、園芸が好きだったんだな。俺は植物全く興味ないや」


水筒の水を飲み、小休止をする。


「薬の本や医学書も多いな」
「ですね。……日記で、母様がよく熱を出してたから、それでその手の本が多いのかもしれません」
「そうか」
「よし、関係なさそうな本を戻しましょう」

床に座っていた光希が立ち上がる。
本を入れる前に棚を雑巾で拭いていく。そして違和感に気が付く。
壁一面にある本棚の、中央段の右端で手を止めた。

「……あれ?」

光希のその声に、義勇がそばに来て覗き込む。


「この棚、ここだけ外せそう。ほらここ、ぐらつきます」
「……わかり辛いが、色も若干変わってるな」

義勇が上の棚を見る。

「上も同じところの色が少し違う」
「下はそうじゃない。……なんだ?気になるな」

光希がじっと棚を見る。

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