• テキストサイズ

雷鳴に耳を傾けて【鬼滅の刃】我妻善逸

第55章 軍事指南


「義勇さん、お願いがあります」
「何だ」
「俺と一緒に調べものをして欲しいです」
「調べもの?」
「はい。炭治郎と俺が血縁だったことは皆さんに報告済みですが、もっと深く如月家と竈門家について調べたい。俺の生家に付いてきてください」

「何故、俺なんだ?」
「暇そうだからです」
「………ぷっ、」

しのぶが吹き出す。

「一人で探すより二人の方が早いです。あいにく他の柱は稽古で忙しく、隊士も稽古でひいひい言ってる。一番暇してるのは義勇さんです」
「……、………暇なわけでは」

「あとは、義勇さんは難しい文章が読めて、頭がいいからです」
「手伝ってやれ、冨岡」
「冨岡さん、頭いいですって。良かったですね」

「俺の個人的な調べものをお願いするのは申し訳ないのですが、明日朝から頼めますか?一日で終わらせたいので」
「了解した」
「ありがとうございます。おそらく何か……鬼を倒す鍵があると思うのです。桑島法子がわざわざ俺に伝えてきたものだ。……まあ、勘ですが」
「俺が、お前の生家に行っていいのか。怒る奴がいるんじゃないか」
「………まあ、それは俺がなんとかしますので大丈夫です」

光希が気まずそうに頭をかく。


「ん? 誰だ?」
「え?」
「光希の生家に冨岡が行くことで怒る奴?時透か?」
「あ……、いえ」


首を傾げる悲鳴嶼。
鬼殺隊最強の男は、恋愛事情に疎かった。



……てっきり全員知ってると思ってた。盲点だったわ。はは


恋人です、と伝えると悲鳴嶼は驚いていた。



「まさか隊内に光希の恋人がいるとはな。名前は何だ?階級は?お前の恋人なら相当強いのだろう!」
「いや、まだそこそこです!そんなに期待しないでくださいっ!やめてあげて!可哀想だから!本当に!」
「光希さん、善逸くんにまあまあ失礼なこと言ってるって気付いてます?」


悲鳴嶼に善逸の話をすると、無理せず会えばいい、何ならここへ呼べ、呼ぼう、と言うので慌てて押し留める。

「あいつがいると仕事にならなくなります!」
「そうなのか?何故だ?」
「どうしても、構ってやらなきゃって思ってしまうので」
「……そういうものか?」


わからん、といった感じの悲鳴嶼に、ああこの人恋人いないんだな、と光希は思った。

/ 1083ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp