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雷鳴に耳を傾けて【鬼滅の刃】我妻善逸

第55章 軍事指南


「では義勇さん、明日よろしくお願いします」
「承知した。………明日の夜」
「そうですね。ご迷惑でなければ」
「喜ぶだろう」
「俺も嬉しいです。母ちゃんに言っておいてください」

言葉の少ないやり取りで、明日の夜冨岡邸に泊めてもらう話をして、義勇が退室する。

「さて、悲鳴嶼さん、ここからは俺と胡蝶さんの二人にしてもらえますか?女同士でしか話せない報告もあるので。会議はこれで終わりです」
「! わ、わかった。外そう」
「すみません。あと輝利哉様の様子を見てもらえますか?もう起きてると思います。さっき、寝ちゃったんです。……くれぐれも怒っちゃ駄目ですよ?」
「承知した」

悲鳴嶼が去り、しのぶと二人になる。


「胡蝶さん、あちらの進捗状況は」
「なかなか苦戦しております。彼女の技術をもってしても、失敗続きです」

しのぶは顔を顰める。

「そうですか……。俺はそっちに関してはさっぱりわからないからな。何か助けることが出来ればいいのですが……」
「いえ、こうして気にかけてくれてるだけでありがたいですよ」
「人体実験の被験対象でしたら喜んでやりますけど。この身体でよければいくらでも貸せます」
「相手は鬼ですからね。人体での実験は不要です。身体はいいので、薬のかけ合わせに関しての知恵をお貸しください」

二人はいろんな可能性を出し合って話し合う。

専門外の領域であっても、光希は迷わずどんどん意見を出す。たとえ頓珍漢な事を言っていたとしても、構わない。それが光希の信念だ。


「なるほど、面白い意見が聞けました。彼女たちともまた話し合ってみます」
「有効な薬が出来ることを願っています。願う、だなんて、そんな事しかできないのが悔しいなぁ。薬学を学んでおけばよかった」
「ふふ、光希さんは兵法を学んでいます。それぞれでいいのですよ。私は隊を動かせまんし」
「はい。ああ、でも悔しい!自分の力のなさに腹が立つ!くそっ!!」
「本当に、負けず嫌いですね」
「はい!めちゃめちゃ悔しいけど、手が出せない!よろしくお願いします」

光希はしのぶに頭を下げる。


「あなたは本当に真っ直ぐな子ですね」

しのぶが光希を見つめる。

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