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雷鳴に耳を傾けて【鬼滅の刃】我妻善逸

第2章 もしかしてお前は…


出口に近付く。
炭治郎曰く、善逸は外に出ているという。

外が見えた!
と同時に、善逸が猪を被った男に攻撃されているのが目に入った。善逸は木の箱を抱きしめ、身を呈して守っている。
その途端、血が逆流した気がした。

背負っていた子どもを下ろし、同時に駆け寄る二人。

「やめろ!!」
炭治郎が猪を殴り飛ばす。バキィッと肋の折れる音がした。
「大丈夫か!!」
光希は善逸に駆け寄る。崩れ落ちる善逸の身体を支えた。

「……光希っ!?なんでここに…」
目を腫らして血を流す善逸が、驚いた顔をする。
手ぬぐいを出して善逸の血を拭う。拭いながら、光希の顔はみるみる怒りへと変化していった。

「お、おい、光希」
それを見て慌て始める善逸。
拳を握りしめ、ゆらりと立ち上がる光希。

「おいこらぁ!!!そこの猪!!!てめぇよくも俺の兄弟を傷めつけてくれたなぁ!!」
「光希っ!だめだ!ご法度だ!」
「そんなん知るかっ!許さねぇ!!」

光希は地を蹴って飛び、炭治郎と伊之助の間に入る。

「なんだお前、俺とやんのか?」
「うるせーこの猪!!ぶっ飛ばしてやる!!」

光希は猪の蹴りを躱し、自分も蹴りを出す。
二人は派手に乱闘を始めた。

「あわわ……炭治郎!光希を止めてくれ!そいつはキレると手がつけられないっ……!」

善逸は昔、自分のことを馬鹿にした連中を光希がボコボコにしたことを思い出した。
相手が多かったから、光希も酷い怪我をして、若旦那にもこっぴどく怒られていた。

「止めろったって……」
凄い速さで戦う二人を見て、炭治郎も手を出しかねている。
異様に攻撃の低い猪の攻撃を躱し、光希は逆に上から叩きつけるような攻撃でそれを捉えようとする。
猪の直線攻撃を躱し、身体を反転させて繰り出す光希の回し蹴りが背中に決まり、「ぐぁっ…」と地面に腹を付ける猪。その隙をついて、猪の背中を肘で押さえけて体重をかける。

「てめえ、善逸に謝れ!」

ギシッと音がする。
だが、光希の体は、起き上がる猪に跳ね飛ばされた。

「お前は軽いんだよ!そんなんで俺が止められるか!」
「……くそっ!」

跳ね飛ばされた光希は、着地と同時にまた猪に向かう。

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