第2章 もしかしてお前は…
攻撃を避けるうちに、段々と攻撃パターンがわかってきた光希。
「水の呼吸、弐ノ型、水車!」
光希は鬼の懐に入り込み、技を放つ。鬼の片手を切断した。
少年も原稿を躱したことで呼吸のコツを掴み、技を出す。
「水の呼吸、玖ノ型、水流飛沫・乱!」
―――こいつも、水の呼吸か
「援護する!そのまま行け!」
「わかった!頼む!」
光希が叫び、炭治郎が答えた。
「漆ノ型、雫波紋突き!」
光希は技を出し、少年に向かう攻撃を全て弾き落とす。
「君の血気術は凄かった!!」
少年はそう言って、鬼…響凱の首を切った。
着地すると少年は傷が痛いのか、ぷるぷると震えた。そんな中、鬼を気遣う優しさを見せる少年。
光希も手首が猛烈に痛かったが、お互い声を出さずに耐える。二人で響凱を見送った。
その後少年は何やらごそごそとしていたが、善逸が気になる光希は部屋を出て廊下へ顔を出す。
「なぁ、ここに黄色い頭の奴、来てないか?」
廊下を見ながら室内の少年に声をかける。
「ああ、善逸のことか?途中ではぐれたけど、来てるぞ。知り合いなのか?」
「まぁな。……生きてっかな」
「善逸なら大丈夫だろ」
何故か善逸に絶対の信頼をおく少年。
「あのさ…選抜の時に、俺たち会ってるよな?」
少年が光希に言う。痛みが落ち着いたのか、廊下に出てきて「こっち来て。迎えに行きたい子がいるんだ」と走り出すので光希も付いていく。
「え?そうだっけ?」
「そうだよ、俺は覚えてる」
ん…?と考える光希。
「水色の……雲の柄の着物、着てたか?」
「そうそう!」
「そうか、気付かなかった。同期なんだな。俺は如月光希だ」
「俺は竈門炭治郎。よろしくな、光希」
走りながら光希の方を振り向いて笑う炭治郎。
「こちらこそよろしく、炭治郎」
「ここだ」
炭治郎が戸を開けると物を投げ付けてくる二人の子ども。光希は避けたが、不意打ちの攻撃を炭治郎はモロに食らっていた。
炭治郎が男の子を背負い、女の子を光希が背負う。
明らかに炭治郎の方が光希より重症なので逆にしようと言おうとしたが、炭治郎はそれより先に走り始めてしまった。
案外せっかちな奴だな、と思う。