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雷鳴に耳を傾けて【鬼滅の刃】我妻善逸

第55章 軍事指南


「光希、さっきの答え合わせをしたい」
「うん、どう考えた」
「まとまっていないけど……」
「構わないよ」

「何故、父上がこの策を提案してきたか……。それは、もう動けない自分も、戦いに参加したかったから。自分の命という、父上に残された…最後の武器を使って」
「うん。そうだな」
「それと……無惨に物理的な攻撃をした上で、開戦を皆に知らせ、隊員の士気を上げる」
「うん、そうだ。いいぞ。それから?」

「それから……」
「ここから先は予測だ。前に俺が言ったこと、覚えてるか?」
「……光希の言葉……『繋ぐ』んだ。光希は父上の想いを繋げと私に言った。私に繋げるために、父上は………死ぬんだ」
「そうだな。……大丈夫か?」

光希は腕の中の輝利哉に声をかける。
死ぬという具体的な言葉を口にし、彼の震えが強くなる。

少年は震えながら頷いた。


「いいか。……繋ぐには、受け渡しが必要になる。渡す方と、受け取る方。だから、輝利哉様にも覚悟が必要なんだ。覚悟をしないと受け取れない」
「……うん」
「俺も、師範から総司令官を受け継いだ。……重かったよ、とてつもなく。まだ、重い」
「私は『お館様』を受け継ぐんだな」
「そうだ」

輝利哉は光希にしがみついた。

「……怖い」
「あたりまえだろ」
「怖くて、いいのか」
「もちろんだ。……でもな、怖くても行かなきゃならないことはある」
「光希も……前へ進んだんだな。凄いな」
「逃してもらえなかったんだよ。あんたらにな。逃げられるもんなら今すぐ逃げ出したいよ」

光希は苦笑いを浮かべる。

「でも、光希は逃げない」
「そう言って、俺を逃さない気だろ」
「バレたか」
「いい感じに策士に育ってきたな、いいぞ」

光希は片手を背中から輝利哉の頭に回し、抱きしめたまま撫でてやる。

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