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雷鳴に耳を傾けて【鬼滅の刃】我妻善逸

第54章 協同逢瀬作戦3


炭治郎とカナヲを見送り、しばし玄関でぼんやりする光希。

「……泣かねえの?」
「なんで?泣かないよ」
「炭治郎ちゃん、他の女のところいっちゃったよ?」
「理想のところだもん。異議なし」
「でも、寂しそうな音してるよ?」
「へへへ。ちょっとだけね」
「……けしからんな。俺というものがありながら」
「ごめんごめん」

光希は笑いながら善逸に抱きついた。

「賭けは、私の勝ちでございますなぁ」
「…………あ」
「さあて何をしてもらおうかなぁ?んー、とりあえず保留で!思い付いたら言うよ」
「怖え……恐ろしい保留が出来ちまった。炭治郎め!」
「ふふふ。炭治郎、格好良かったね」
「まあ、な」
「流石、やる時はやる男だ」
「俺が育ててやったようなもんだぜ」
「あはは!そうなの?」

「まあ師匠である俺としても、今日接吻まで進むとは思わなかったけどな」
「案外手が早い……、あ」
「ん?」
「…………」
「どした?光希」
「なんでもない、」
「ことはない、よな?……何?」
「聞かない方が良いよ」
「何だよ言えよ。気になるじゃん」

善逸が引かないので、仕方なく口を割る。

「はぁ……、思い出したの」
「何を?」
「炭治郎ちゃん、確かに手ぇ早かったわ」
「………………あんのやろっ!」
「こらこら。落ち着け善逸、十年も前の話だ。五歳児の口付けなんておままごとの延長だよ」
「くっそ……あのムッツリデコ助がっ…!!」
「ぷっ…あはは、炭治郎は覚えてるかな?」
「きれいさっぱり忘れとけ!!」
「あははは」

「もうっ!油断ならねえクソガキがいたもんだ。ちゃんと上書きしとかなきゃな」

そう言って、善逸が光希に口付ける。
言葉とは裏腹に、優しい口付け。


光希も善逸の背中に手を回して、嬉しそうに応えた。

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