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雷鳴に耳を傾けて【鬼滅の刃】我妻善逸

第54章 協同逢瀬作戦3


一時間程すると、光希の部屋から「終わったー……」という声が聞こえた。

光希は善逸の居る部屋に来て「お仕事終わりました!」と笑った。


そのまま縁側に出て、鴉を呼ぶ。

「えっと、右足のが悲鳴嶼さんで、左足のがあまね様…いや、輝利哉様にお願い」
「わかった」

鴉が夜空を飛んでいく。

光希は立ったまま、それを見送る。彼女からとても悲しい音がしていた。

善逸は光希の後ろ姿をじっと見ていた。



泣いてるかと思ったが、部屋に戻った光希の目に涙はなかった。




「もう夜なのに、炭治郎たち帰ってこないね」
「………まさか本当に朝帰りか?」
「まあ、それならそれで。そうだったら賭けは私の勝ちだね」
「うっ……、まさかそんなはずは。炭治郎に限ってそんな。ねえ」
「あの二人のことだから、話し込んでたら夜になっちゃってた、とかもありそうだけど」
「ははは、それありそう」


「善逸……私、明日朝に戻るね。会議があるの」
「……わかった」
「ごめん」
「ううん。頑張ってくれてありがとうな。今夜は一緒に居られるんだね。嬉しいよ」

善逸は光希の髪を撫でる。


「あ、忘れてた。髪、縛ったままだった」

光希は撫でられて気が付き、三つ編みを解く。
一日ずっと三つ編みになっていた光希の髪には癖が付き、毛先がパーマみたいになっていた。


「……っ!」
「ん?何?」
「可愛いー!!光希の髪の毛くるくるしてるー!すっごい可愛いよー!!」
「へ?くるくる?あ、ああ…縛り癖ね」
「真っ直ぐもいいけど、くるくるもいいねえ。新鮮だなあ。うふふ」

「これ、善逸が好きならまたやったげる。寝る前に縛っておけば朝には癖ついてるから」
「へえー!じゃあまた今度お出掛けするときにやって!」
「あはは、いいよ」


そこへ炭治郎とカナヲの気配がした。

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