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雷鳴に耳を傾けて【鬼滅の刃】我妻善逸

第54章 協同逢瀬作戦3


そこへ光希の鴉が飛んでくる。

「おお……現実が来たよ」
「毎日なにかしらは来るのな」
「……仕方ないよ。私が許可しないと動けないものもあるしね」

ふう…と苦笑いしながら、鴉を撫でる光希。


「さて、じゃあここで本当に解散ね。炭治郎、カナヲ、お疲れ様。二人は明日も休みだから、街をゆっくり楽しんでおいで。今日は楽しかった。ありがとう」
「ああ。こちらこそありがとう。楽しかった。……それに、凄くいい日になった」
「ありがとね、光希」
「いやいや、私がやりたくてやったことだから。二人も、善逸も……私に付き合ってくれてありがとう」

光希は柔らかく笑い、「じゃあ、またね」と鴉を肩に乗せて街の外に歩いて行った。


「うちに荷物取りに来るの、明日でもいいぜ」
「え?」
「朝帰りしてもいいってこと」
「はぁっ?!善逸…何を……」
「ははは、まあ二人で好きに過ごしな。とりあえず俺はここで光希を待つ。その後俺らもゆっくり帰るからさ」
「う…、うん」

「じゃあな、炭治郎」
「わかった。カナヲ、行こうか」
「うん。ありがとう、善逸」
「カナヲちゃんのためなら俺はなんでもするよ」
「おい、口説くなよ。……俺のだぞ」
「ははは、わかってるよ」

炭治郎と善逸はそう言って笑う。朝のやらかし発言が現実となったことに嬉しく思う。

炭治郎とカナヲは手を繋いで歩いていく。
照れくさそうに微笑み合いながら雑踏に消えていった。



善逸は長椅子に座って光希を待つ。

休日をおして飛んで来る鴉。
何か面倒なことになってるのか。
苦しんでないだろうか。
何か助けてやれることはないのだろうか……

もんもんと考えていると光希が帰ってくる。


「お待たせ」
「いや、俺は大丈夫。そっちは大丈夫なのか?」
「うーん……、ちょっとね。はは」
「大丈夫じゃないのね」

「………今夜中に戻んないといけないかも」
「えっ……!」
「次はいつ会えるかわかんない」
「………そんな……」
「ごめん」
「………光希が悪いんじゃない」
「……でも、ごめん」

光希は善逸の隣に座る。
頭をこてんと善逸の肩に乗せる。

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