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雷鳴に耳を傾けて【鬼滅の刃】我妻善逸

第54章 協同逢瀬作戦3


炭治郎は初めてのコーヒーをじっと見つめる。

「黒い……炭か?これ」

流石は炭焼き小屋の息子。なかなかパンチの効いた感想をかます。

「炭…ではない。豆を細かくしたものにお湯を通して抽出したんだよ」

笑いを堪えながら光希が答える。


「善逸は飲めなかったけど、炭治郎は飲めるかな?」

光希の前には炭治郎と同じコーヒー。
善逸とカナヲの前にはラムネが置かれている。


「じゃあ、炭治郎とカナヲちゃんに乾杯!」

善逸の声に合わせて、皆が飲み物を上げる。


「……、苦い」
「な?苦いよな?」
「苦い…けど……美味しい」
「お。炭治郎いける?」
「………うん。美味しいな。それにこの匂い好きだ。落ち着く」
「なんだと!なんで炭治郎いけるんだ!お子ちゃまのはずなのに!」
「善逸の方がお子様なんだろ」
「カナヲちゃんだってラムネだろっ!」
「私は珈琲飲めるよ。ただ、ラムネが好きなの」
「俺だけ?珈琲飲めないの俺だけー?」

善逸が拗ねる。
光希のコーヒーを奪って一口飲むがやはり盛大にむせる。

「……やっぱ無理。苦え」
「まあまあ、しべりあでも食べて落ち着いて」
「むう……ね、光希ぱんけえき食べさせて」
「蜜璃さんのところでぱんけえきは散々食べてるんでしょ?」
「そうだけど、光希にあーんしてもらいたい」
「この甘ったれ。はい、あーん」
「ふふっ、甘いのはぱんけえき。うん、うまっ。うふふっ、幸せっ」

いちゃつく二人を見て頬を染める炭治郎とカナヲ。今はそれぞれ恋人同士で向かい合って座り、女子同士、男子同士で隣の席である。


そこから四人は、柱稽古のことや刀鍛冶の里でのことをわいわいと話した。

甘味メニューを制覇し、大満足の善逸。
夕暮れ前の時間になってお店を出る。

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