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雷鳴に耳を傾けて【鬼滅の刃】我妻善逸

第54章 協同逢瀬作戦3


「じゃ、ここで解散ね」
「え?」
「何?炭治郎」
「え、喫茶店に行くんじゃないのか?」
「ああ、うん。私たちは行くけどさ」
「なら俺たちも……」
「うん。行きたきゃ行けば?二人で」

にやりと笑って光希が言う。


「え?」
「だから、何よ、炭治郎」

「ちょっ、ちょっと待ってくれよ」
「いやいや、炭治郎くん。ここはさぁ、しっかりカナヲを連れて歩いて二人っきりを満喫しなよ。………恋人同士なんだから」
「………っ!」

炭治郎とカナヲが顔を赤くする。


「そうだぞ、炭治郎。そろそろ俺らも二人を楽しみたいんだけど」
「ねえ?善逸」
「なあ?光希」
「もう私たちと別行動でも大丈夫でしょ?」

「え……いや、そんな急に…俺どうしたらいいかわかんないよ……」

オロオロとする炭治郎。隣のカナヲも戸惑っている。

「あ、はい。家の鍵渡しとくね。いいよね、善逸」
「ああ。うちに荷物置いてあるもんな。これなら帰宅がズレても大丈夫。うちでゆっくりしててもいいぞ」
「鍵は…そうだね、床下のタライの中に入れといて」

「行こうか、光希。俺座りすぎて逆に疲れた。小腹空いたー」
「待って、刀隠すから……」
「甘味だー!うっひょー!」
「動かないでよっ!もうっ!」

うきうきと準備を進める光希と善逸。

「炭治郎も、刀」

光希に言われて、ハッとする炭治郎。鍵を受け取ったまま固まっていた。

慌てて鍵を懐に入れ、刀に手を伸ばす。
カナヲが手伝って、炭治郎の背中に刀を隠す。


……ど、どうしたらいいんだ


急に導いてもらっていた紐をプチンと切られ、明らかに困惑している炭治郎。

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