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雷鳴に耳を傾けて【鬼滅の刃】我妻善逸

第53章 協同逢瀬作戦2


「あっはは、なんだあれ。炭治郎デレデレじゃねえか。なあ、お…い、…………」

善逸は光希の隣に再び座る。光希の背中にぽんと手を置く。
そこへ炭治郎とカナヲが戻ってくる。


「お待たせ、善逸」
「ごめんね」
「おう。待った」

「すまない。…あ、………光希」
「……はは、悪いな、炭治郎、カナヲちゃん。こんな状況なんだ」


三人が見つめる先には袖で顔を隠しながら泣く光希。
顔を覆っているので見えないが、肩を震わせて嗚咽をもらしている。


炭治郎は光希の前に座る。
カナヲもその隣に座る。

「光希、ありがとうな。……俺、ちゃんと言えたから。へへへ。約束通り二人で…お礼言いに来たよ」
「………うんっ、…良かった……」

「光希。ありがとね。……ほんと、ありがと……」
「…カナ、ヲ……うわぁぁぁん……」

光希は泣き、カナヲも唇を噛んで涙を耐える。


「……うっ、くっ、……手拭い、忘れたから…、さっきのお店で、買ってきて」
「わかった。光希に合いそうなの買ってきてやる。カナヲ、行こう」
「うん」

二人は並んで歩いて行った。
歩きながら炭治郎はおずおずとカナヲの手を取り、カナヲも頬を染めて炭治郎の手を握り返した。


「良かったな」
「……良かったぁ…うぇぇん、…良かったよぉ……もう心配かけやがって……」
「お前もよく頑張ったな」
「俺は別に、何も……」

そう言いながら手拭いを出して涙を拭く光希。

「手拭いあんじゃねえか!」
「当たり前だろ。いつ善逸が泣き出すかわからないんだ。俺が手拭いを持ち歩かないわけないだろ」
「俺は泣いてねえ」
「そうだな……」


手拭いを目に当てて、涙をおさえる光希。
安堵と嬉しさとなんだかよくわからない感情で、どんどん涙がこぼれてくる。


善逸は光希の背中を撫でていた。



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