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雷鳴に耳を傾けて【鬼滅の刃】我妻善逸

第53章 協同逢瀬作戦2


「おい!何してんだ!」

光希とカナヲをかばうように、男の前に入る炭治郎。


「はぁ?なんだあ?男連れかよ」
「でもチビだな。子どもじゃねえか」
「お嬢さんたち、こんなガキより俺たちと一緒の方が絶対楽しいよ?!本当に可愛いねえ君たち」

現れた炭治郎を鼻で笑う軟派男。

光希は心底腹が立ったが、ここで自分がぶちのめしてしまっては意味がないので耐える。


「この子たちに近付くな。少しでも触ったら許さない!」

炭治郎は男たちを睨む。


「なんだとこのガキ」

一番背の高い男が炭治郎の胸ぐらを掴む。だが、すぐにパシッと炭治郎の手ではねのけられる。


「怪我したくなかったらこの場を離れろ!」

殺気を放つ炭治郎。
キレてるか?大丈夫か?と、少し焦る光希。


「うっせえ!格好つけんじゃねえ、このチビ!!」
「大人舐めんなよ!」

二人が炭治郎に殴りかかる。
一人の拳を避け、もう一人の拳を払う。炭治郎は軽く足払いをかけて、二人を転がす。


……良かった。キレ気味だけど、ちゃんと手加減してる


光希はほっとする。


「どっか行け。次は殴るぞ。この子たちに二度と近付くな」

転がった男を見下ろして、威圧感のある低い声で炭治郎が言う。


男たちはすたこらと逃げていった。


「大丈夫だった?触られたりしてないか?」
「私はこんなの慣れてるから大丈夫。でもカナヲが……」

カナヲは少し俯いていた。

「……カナヲ、怖かったな」
「怖くは…ないけど、……ちょっとびっくりしちゃった」
「そうだよな。よしよし、もう大丈夫だ」

炭治郎は微笑みながら弟妹たちを撫でるようにカナヲの頭を撫でる。片手は彼女の肩に置いている。

カナヲがちらっと上目遣いで炭治郎を見たとき、ハッと我に返って手を引く。


「うわっ!ごめん!……ついっ!!」
「大丈夫。…ありがと炭治郎」
「い…いや……、あ、えっと、どこに行きたいの?俺も付いてく。もう二人だけで歩いちゃ駄目だ」


炭治郎が慌てるので光希は笑えて仕方ない。

必死に堪えるが匂いでバレて、赤い顔で炭治郎が拗ねたような顔で見てくる。

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