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雷鳴に耳を傾けて【鬼滅の刃】我妻善逸

第53章 協同逢瀬作戦2


炭治郎とカナヲは、後ろからそんな光希たちを見ながら歩く。

いつも見ている同期二人が、いつもと違う格好をして、いつもと違う雰囲気で歩いている。


「なんか、不思議な感じがする」
「そうだね」
「あの二人、いつも喧嘩してるけど、信頼関係が凄いし、何より…お互いが大好きなんだろうな」
「そうだね。光希も善逸も幸せそう」


炭治郎は考える。
光希の言葉を思いだす。

『カナヲの緊張が解けたかの判断は俺がする』

つまり、もう大丈夫だと光希が判断したということ。


『緊張が解けたら、カナヲは炭治郎と歩きたいと思うはず』

炭治郎は隣を歩くカナヲをちらりと見る。


………穏やかな匂いがする


「カナヲ……」
「なに?」
「………いいのか?隣が…、俺で」
「……うん、いいよ。炭治郎と、…歩きたい」

カナヲが少し目を伏せて、ボソッと呟いた。

その表情と可愛らしさに思わず抱きしめてしまいそうになる炭治郎だったが、ぐっと堪える。


「そうか、……良かった」

照れくさそうにカナヲに笑いかけると、カナヲも嬉しそうに笑った。


ゆったりと会話をしながら歩くカナヲと炭治郎。炭治郎はずっと嬉しそうにしている。地面から数センチ浮かんでいるのではないかと思うくらいだ。

光希たちと少し距離が開く。


「…………幸せだな」

炭治郎が幸せを噛みしめながら無意識に呟く。

「え?」
「え?……今…、俺、声に出てた?」
「………出てた」
「!!!……っ、や、そのっ!」

炭治郎がわたわたと慌てだす。
その姿を見てカナヲが笑う。

「ふふふっ、………私も幸せだよ」

途端に炭治郎の心臓が飛び跳ねる。

その動悸の激しさに、とりあえず落ち着こうと口元に手を当てて顔を反らす。


「………そ、それは良かった」
「ふふふっ」

カナヲが自分の隣で笑っている。
その姿が眩しくて、嬉しくて、……手に入れたくて。
 

炭治郎は自分の独占欲に、驚きを覚えた。


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