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雷鳴に耳を傾けて【鬼滅の刃】我妻善逸

第53章 協同逢瀬作戦2


それを見て、光希は善逸の手を取る。

「どっか行きたいところある?」
「光希は?」
「んー、そうだなぁ。じゃあ皆で少し街を歩こっか」

そのまま光希は善逸と並んで歩き出す。


「えっ、光希?」

カナヲが慌てて付いていく。

「ん?」
「や、あの……」
「炭治郎もカナヲも、気になるお店とかあったら教えてね!」

光希はまた善逸の方に顔を向けて歩き出す。

とりあえず戸惑いながら、炭治郎とカナヲが並んで歩き始める。


「……おい、あいつら…大丈夫なのかよ」
「もう大丈夫だよ、ふふふ」

声を潜めて光希と善逸が話す。

並んで歩くと、善逸はやっぱり違和感を感じる。
なんだか懐かしいような……


「そろそろ炭治郎に頑張ってもらわないとね」
「そう、だな」
「どうかした?」
「いや……」

光希はそんな善逸を見てくすりと笑う。
きゅっと腕に抱きつく。


「うわっ!」
「へへへっ」
「どうした」
「くっつきたくなったの。私も、善逸との街歩き、楽しみたいんだもん。腕組んでもいいでしょ?」
「べ、別にいいけどよ……」

ちらっと後ろを見ると、炭治郎とカナヲが驚いて見ている。

「た、炭治郎たちが見てるだろ?」
「いいじゃん、何が駄目?………ま、いいや。転んだら恥ずかしいし、離れてあげよう」

光希はすっと身体を離し、また手だけを繋ぐ。
そこで違和感の正体に気付く善逸。


……わかった。いつもより顔が、近いんだ


赤くなった頬を手で隠しながら、ちらりと光希の足元を見る。


「気付いた?」
「……なるほどな。通りで何か変だと思った」

光希の草履はいつもより高く、数センチ背が上がっている。十センチ程ある身長差が、普段より縮まっている。


「……顔が近いとドキドキするんだな」
「昔は同じくらいの背だったけど、何も感じなかったのにね」
「これだとすぐに口付けできるね」
「紅塗り直したところなのでやめてください」

歩きながら二人で笑う。

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