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雷鳴に耳を傾けて【鬼滅の刃】我妻善逸

第53章 協同逢瀬作戦2


「……食べ過ぎた」
「そんなに食ってねえだろ」

手を繋いで歩く光希とカナヲの後ろから、善逸が声をかける。

うなぎ屋を出て、四人連れ立って歩いている。
まだ、男女で別れている。

「光希、ご馳走さま。ありがとう」
「ありがとね、光希」
「ご馳走さま」

「どういたしまして。美味しかったね」

三人にお礼を言われて、にこりと笑う光希。



「あ、カナヲ!化粧品屋さんだ!見よ!」

光希が店を指差す。


「ごめん、ちょっと見てきていい?」
「ああ、いいぞ」
「どうぞ」

男子に許可をもらい、二人は楽しそうに入っていく。


「はは、楽しそうだな」
「そうだな」
「炭治郎、何か欲しいものとか見たいものあるか?」
「俺は、別にないな」

店の外でぼんやりと待つ男子二人。
暇なのできょろきょろとする。


街を歩く男女のほとんどが恋人同士のようで、彼らからは甘く幸せな匂いがする。

わいわいと賑やかな街を感じる。


すると、そこへ化粧をされた二人が出てくる。
今までも薄っすら化粧をしていたが、プロの手によってアイメイクもバッチリしてもらっている。二人の大きな目が、更に大きくなり美しく仕上がっている。


「えっ……」
「おおっ!」

「えへへ、買い物したらお化粧してもらっちゃった!」

にこにこと笑う光希と、恥ずかしそうにするカナヲ。光希は落ち着いたブラウンのアイシャドウ、カナヲは青系のラインを引いている。


「わー、良かったな、光希!」
「ちょっと大人っぽ過ぎる?」
「そんなことないよ、可愛いよ」

善逸が頬を染めて光希の頭を撫でる。
その時善逸にふと違和感。


……あれ?なんかいつもと感じが違う?

疑問を感じつつ、額に口付けを落とす。



カナヲは炭治郎の前で俯いていた。


…………可愛い

炭治郎も黙ってしまう。



「炭治郎、カナヲも可愛いでしょ?」

光希が声をかけると、ハッとする炭治郎。


「あ、ああ。凄く可愛い。びっくりしたよ」
「あ、ありがと……」
「店員さんがね、カナヲに合う色を選んでくれたんだよ」
「うん、……可愛いよ。似合ってる」

炭治郎が柔らかく微笑みながら、そっとカナヲの頭を撫でた。

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