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雷鳴に耳を傾けて【鬼滅の刃】我妻善逸

第53章 協同逢瀬作戦2


街につくと、慣れていない炭治郎がきょろきょろとし始める。


「人が多いな」
「少ないほうだぜ」
「これでか?凄いな」

光希が男子を休憩用の長椅子の真ん中に座らせ、背中から素早く刀を抜いて下に隠す。


「お二人さん、お疲れ様」

そう言って光希は善逸の隣にぴょこんと座る。
カナヲは少しためらって少し距離を開けて炭治郎の隣に座る。

「背中、大丈夫?」
「まだまだ余裕だよ」
「俺も大丈夫だ」
「凄い凄い」

そう言いながら、光希は善逸の背中を擦る。

炭治郎がちらっとカナヲを見ると、バチッと目があってしまい、二人はサッと目を反らす。

「お、お疲れ様、炭治郎。ありがとう」
「ああ、うん。そんなに疲れてない」

炭治郎は足の上に肘を置き、前屈みになることで赤い顔を隠した。


「お腹空いた人!」

光希がそう言うと、「はいはい!」と善逸が手を上げる。

「あはは。炭治郎とカナヲは?」
「うん、お腹空いた」
「私も」

「何食べたい?」
「うなぎ!!!」
「……うなぎかぁ。他の意見は?」
「俺は何でも。善逸がうなぎが食べたいならそれでいいよ」
「私も」

「じゃあ、うなぎにしよっか。まあ贅沢」
「総司令官殿!ご馳走様です!」
「よし、ここは私が全て出そう。特上いくぞ」

「え、光希、いいって!」
「そ、そうだよ!」

「いいの、いいの。気にしないで」
「そう、こいつめっちゃ金貰ってるからいいの。気にすんな」
「お前が言うなっ!俺はその分めちゃめちゃ働いてんだよっ!」
「俺って言うな!」
「あらやだごめんなさい、おほほ」

「でも……」
「いいったら。ここは大丈夫。善逸が食べたいって言ったんだから。あ、じゃぁ善逸に奢らせよっか」
「うげっ!……並なら」
「嘘だよー。まあ私に任せなさい」

ふざけながら、光希はまた善逸の背中に刀を隠す。「そーっとやってよ!」「わかってるよ!」と言い合う二人を見て笑いながら、カナヲが炭治郎の背中に刀をそっと隠す。


「カナヲ、ありがとう」
「うん。痛くない?」
「大丈夫」
「……また言い合いしてるね」
「仲良しだからな」

炭治郎とカナヲが、楽しそうにじゃれる二人を見ながら緩く笑う。

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