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雷鳴に耳を傾けて【鬼滅の刃】我妻善逸

第53章 協同逢瀬作戦2


女子二人が手を繋いで先を歩き、男二人がその少し後ろを歩く。

女子二人は、楽しそうにキャッキャと笑っている。見たい店を出し合っているようだ。


「可愛いなあ二人とも。ふふふ」
「………」
「大丈夫だって、カナヲちゃんには手ぇ出しません」
「光希のことも大事にしてくれよ?」
「もちろんだ!見ろよ、あんなに可愛いんだぞ?」
「いや、可愛さとかじゃなくて」
「わかってるよ」

前を歩く二人がじゃれ合い出す。
光希がカナヲにこそこそと耳打ちして、カナヲも耳打ちを返す。
二人で頬を染めてクスクスと笑う。


「何話してんだろうな……」

炭治郎が呟くと、隣で善逸が顔を赤くして俯いている。

「あ、善逸、さては聞いてるだろ」
「え、や、聞こえちまうんだよ。仕方ねえだろ!」
「なんだよ顔赤くして」
「………なんでもねえよ」


………おいおい勘弁してくれよ

善逸は一人、顔を赤らめる。


「本当に二人は仲良しなんだな」
「………だな」
「こんな仕事じゃなかったら、いつもああやって着飾って女の子らしく出来たのにな」
「そうだな」

炭治郎がしみじみしながら喋るのに対して、善逸は時折ひっ…と息を飲んでいる。


「二人は何の話をしてるんだ?」
「………俺達の、馴れ初め」
「ああ、そういうことか。通りで善逸の様子が変だと思った」
「………っ、馬鹿それ言うなっ。…、ひっ、やめてっ」
「ははは、善逸も苦労するな。聞こえなきゃ知らなくてすんだのに」


街に着く前から、善逸はだいぶ精神的にすり減った。


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