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雷鳴に耳を傾けて【鬼滅の刃】我妻善逸

第53章 協同逢瀬作戦2


「カナヲ、炭治郎を手伝ったげて」

光希は自分の刀の鍔を外し、玄関に置く。善逸も自分の刀の鍔を外している。


「あ、うん!」

カナヲと炭治郎も自分の刀の鍔を外す。

隣で光希が善逸の背中に刀を隠しているのを見て、自分も背伸びをして炭治郎の袴の帯に差し込む。

「炭治郎、痛くない?」
「大丈夫」
「こんな感じでいいのかな?光希?」


そう言って、光希の方を向くと、

「いてぇ、尾骨にガンガンあたってんだろが!」
「はあ?微調整は自分でしなさいよ!」
「そっと入れろよ、ガッて入れるから痛えんだっ!」
「すいませんねえガサツで。じゃあ自分でやってください!私はもう何もしません!べー!」

二人は喧嘩していた。


「………おいっ、喧嘩するなよ」

「「こいつが悪いっ!」」

炭治郎が声をかけても、ふんっ!とそっぽを向く二人。


光希は外された四つの鍔を回収して、花瓶の隣に並べる。


「あ、うん。炭治郎いい感じだね」
「一本でも二本でもあんまり変わらないな。思ったより大丈夫そうだ」

光希が炭治郎の羽織をさり気なくカナヲに渡す。

カナヲは少し緊張気味に羽織を炭治郎に着せる。
炭治郎は頬を染めて、カナヲの持つ羽織に手を通す。

「あ、ありがとう、カナヲ」
「……炭治郎、刀よろしくね」
「うん」


それを見て光希は善逸に後ろから抱き付く。

「いでぇ!」
「あはは」
「なにすんだよもー!刀が背中に当たっていてえだろうがっ!」
「ごめんごめん」
「んだよ……」

口を尖らせる善逸に笑いながら焦げ茶色の羽織を着せる。
刀が隠されている背中をぽんと叩く。

「よろしく」
「おう。任せろ」


カナヲは玄関に飾られたなでしこの花を見つめていた。

「これ……」
「ちょっと季節は違うけど、庭に咲いたの」
「そうなんだ」


カナヲは目を細めて微笑んで、花を見つめる。その姿を見て、炭治郎の鼓動が速くなる。


「さあ、今日は遊ぶぞ!」

そう言って、光希はカナヲの手を取って玄関を出た。

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