第53章 協同逢瀬作戦2
そのまま居間に声をかける。
「出発出来るー?」
戸が開いて、男子二人が顔を出す。
「ああ」
「大丈夫だっ……って、うぎゃあぁぉ!カナヲちゃん可愛すぎいいい!光希に気を取られてて気が付かなかった!俺としたことが不覚っ!緑の着物が新鮮ですんごい可愛いんですけどおぉぉ!!!」
そのまま善逸がカナヲの手を握る。
光希が呆れてジト目で見ていると、炭治郎が慌てて止めに入る。
「お、おい!善逸!」
「なんだよ、炭治郎。邪魔すんなよ」
「カナヲがびっくりしてるだろ!」
「えー!そんなことないよねえ、カナヲちゃん!」
「え…えと……」
「だから、やめろって!こらっ!」
善逸の手を離させて、カナヲに近付けさせないように間に立つ。
……へえ、善逸の浮気癖が初めていい方へ働いたな。さあ、どうする炭治郎
光希は口元に笑みを浮かべてにやりと笑う。
「お前には光希がいるだろう!」
「そうだけどさ!カナヲちゃんもすっごい可愛いもん!今日の俺は両手に華だぜ!天国だ!ウヒィッヒッヒ!」
「違うっ!カナヲは俺のだ!!!」
咄嗟に炭治郎がそう叫び、場の時が止まった。