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雷鳴に耳を傾けて【鬼滅の刃】我妻善逸

第53章 協同逢瀬作戦2


光希の部屋でもカナヲが落ち込んでいた。

「なんでいつも私、炭治郎にあんな顔しちゃうんだろ……」
「よしよし、カナヲ大丈夫だ」
「光希……、炭治郎に嫌われちゃうよぉ」
「大丈夫。落ち着け」

カナヲを抱き締める光希。

「なかなか素直になれねえな、カナヲは」
「うん」
「本当に不器用」
「うん。自分が嫌になる」
「俺は、嫌にならないよ」
「え……?」

光希は身体を離し、カナヲのほっぺたをぐにぐにと触る。


「俺は、そんな不器用なカナヲが大好きだよ。嫌になったりなんてしない」
「光希……」
「この不器用な顔筋がちゃんと動けば、全てうまくいくんだけどなぁ」
「むぅ……」

「よし、魔法をかけてやる」
「魔法?」

光希が目を閉じてカナヲのおでこに自分のおでこをくっつける。

「カナヲが心のままに素直になれますように。心で思ったことが、この可愛い顔に現れますように」

カナヲの頬を触りながら呟く。


「よし、これで大丈夫!絶対にうまくいく!信じろカナヲ」

「ありがとう、光希」

カナヲに笑顔が戻り、光希も笑う。


「ね、光希、着替えって……」
「うん。もう一つの魔法だよ。今日は着替えてお出かけします。化粧もして、雰囲気を変える。炭治郎を驚かせてやろうぜ!」

にいっと笑う光希。カナヲに着物を渡して二人で着替えて行く。

着付けをし合ったりして、部屋からキャッキャと楽しげな声が聞こえる。


「凄い可愛いね、この着物」
「善逸と二人で選んだんだ」
「光希の着物も、可愛い。似合うね」
「ありがとう!」

女子が帯を締める前に、善逸の耳に『そっちも着替え始めて』と光希からの声が聞こえた。


居間で男達も着替える始める。


「カナヲ、」
「炭治郎、」

それぞれの部屋で、光希と善逸が話す。

「この着物はカナヲの為に選んだの」 
「この着物はお前の為に買ったんだ」

「だから、あげる」
「だから、やる」

「今日の記念にね」
「今日の記念にな」

「だから、いい日にしよう!」
「だから、いい日にするぞ!」

「「頑張ろう!」」


光希と善逸は、それぞれの目の前にいる親友に笑いかけた。


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