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雷鳴に耳を傾けて【鬼滅の刃】我妻善逸

第53章 協同逢瀬作戦2


光希は部屋で準備を整えて、門の外でカナヲを待つ。

そして、炭治郎の鼻が、善逸の耳が、光希の気配が、カナヲを捉える。


………来た!


「カナヲ!」

門から光希が走り出て、カナヲを迎える。

「光希」
「カナヲ!久しぶり!会いたかったよ!」

嬉しそうにカナヲにがばっと抱きつく光希。カナヲも嬉しそうに光希の背中に手を回す。


「ごめんな、忙しいところ呼び出して。大丈夫だったか?」
「大丈夫だよ。お休みもらえた。光希がちゃんと指示出しておいてくれたから」
「今日はさ、皆で楽しく遊ぼ」
「……うんっ!」

光希とカナヲは手を繋いで門をくぐり、玄関に入る。


「カナヲちゃん、いらっしゃい」
「善逸、お邪魔します」
「どうぞどうぞ。女の子は大歓迎だよ」
「こら!キモいこと言うなっ!」
「ふふふ」

そこへ炭治郎が顔を出す。


「カナヲ、久しぶりだね」
「あ………、炭治郎、久しぶり」

炭治郎が頬を赤らめて話しかけると、笑っていたカナヲの顔が強ばる。

それを見て光希が動く。


「カナヲ、こっち来て。着替えよ!」

カナヲの手を引いて部屋へ行く。


「男子共!覗いたら切腹させるからな!とくに善逸!見んじゃねえぞ!」

そう言って、障子を閉める。


炭治郎は廊下でしょぼんとする。
珍しく心が折れている。


「………なんか…、やっぱり無理そうな気がしてきた」
「ま、まだ始まってもいねえだろ!」
「見ただろ?俺が話しかけたらいつもああなるんだ。笑ってても笑顔が無くなる。はぁ……」

「大丈夫だ。今、光希がすぐ動いただろ。たぶんそれも含めて一瞬で理解したんだ。すぐに手を打ってくれる」
「うん……」
「任せとけばいい」


善逸は炭治郎をなだめて居間に連れて行く。

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