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雷鳴に耳を傾けて【鬼滅の刃】我妻善逸

第52章 協同逢瀬作戦


「じゃあ俺はどうしたら」
「カナヲが喜びそうなことを考えてごらん、炭治郎」

「接吻」
「お前は黙ってろ善逸」

「……笑顔。笑顔で笑いかける」
「うん。いいと思うぞ。それから?炭治郎はカナヲに何してあげたい?」
「話がしたい。何でもいいから、話したいな」
「いいな。なら、座る所がこことここにあってな……」

光希は炭治郎の思考を引き出しながら策を練る。

すると、炭治郎は「どうしたらいい?」という受け身ではなく「こうしてみたい」「こうしたらいいかも」という思考に切り替わっていった。



光希は炭治郎の話を聞きながら、自分の考える有効策も具体的に出していく。


「カナヲは花が好きだろ?道の脇に咲いてるかもしれない。季節的に微妙かもしれないけど、序盤からさり気なく周りを見ておけ。会話に困ったら使える」

「カナヲの疲労具合を気にかけてあげて」

「炭治郎も背中が痛くなったらすぐ休憩を提案すること。我慢はしない。逆にカナヲが気を遣っちゃう」

炭治郎は頷きながら熱心に話を聞いている。


「炭治郎、金持ってる?二人になった時、金は出してあげて。ないなら貸すから」
「あるよ、大丈夫だ。でもカナヲ、自分が出すって言いそう」
「そこは俺がカナヲに言い聞かせておく」

光希は字や矢印などで真っ黒になった紙を見ながら考える。


「刀の事や途中休憩のことは伝えたろ?あと必要な伝達事項は……あ、そうだ」

光希は炭治郎を見る。


「さっき、会話に困った時用の話題をいくつか考えとけって言ったけど、……沈黙も有効な手段だから」
「沈黙……」
「そう。沈黙になると、人は頭を使い空気を読む。そして、うまく行けば沈黙が気持ちを後押ししてくれる」
「よくわからない……」
「深く考えるな。沈黙になっても大丈夫ってことだ。炭治郎とカナヲなら、沈黙も静かで幸せな時間になるから。焦らないこと」
「わかった」


沢山頭を使った炭治郎は、ふぅと一息ついた。


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