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雷鳴に耳を傾けて【鬼滅の刃】我妻善逸

第52章 協同逢瀬作戦


部屋の中から声をかけると、筆記具を持った光希が入ってくる。

「只今より、軍議を行う」

文机を部屋の中央に運び、紙を置いて三人で囲む。


「明日、協同逢瀬作戦を行う。任務達成条件は、炭治郎がカナヲに想いを伝えること。各々に策を授ける。しっかり頭に叩き込め」

仕事さながらの雰囲気を出した光希により、軍議が開かれた。


「協同、逢瀬作戦……?」
「そうだ。四人で街へ行く。皆で街で楽しく遊ぶ。……ま、要はそれだけだ」

光希は鉛筆で四人の名前の頭文字を書く。
『炭』と『カ』、『善』と自分の頭文字をそれぞれ丸で囲む。

「だが四人で行動するとはいえ、最終的にこの構図になるように動く」
「そりゃそうだわな」
「序盤、カナヲの警戒を俺が解くまで、歩くときは俺とカナヲが並びだ。緊張させると逆効果だし、何よりせっかくの街が楽しくなくなる」
「わかった。カナヲの緊張が解けたとかって、どう判断するんだ?俺はどうしたらいい?」

炭治郎が光希に質問をする。
作戦に対して彼が乗り気であることがわかり、嬉しくなる光希。


「それは俺がそばで見てて判断する。大丈夫だ」
「わかった」
「緊張が解ければ、カナヲは必ず炭治郎の側へ行きたいと思うはずなんだ。一緒に街を歩きたいってな。だから、そこまでいったらお前はカナヲを受け入れるだけだ」
「そういうものなのか?」
「ああ。俺も一応女子だからな。そっち側の予測はある程度つく」


「受け入れる……ってどうしたらいいんだ?」
「馬鹿だな炭治郎。んなの手ぇ繋ぎゃいんだよ」
「そ、そんなこと俺に出来るわけないだろ!」
「何でだよ。手ぇ握っときゃ引っ張れば抱きしめられるし、絶対隣を歩けるし、ちょうど良いじゃねえか」

「……善逸がモテない理由がわかったよ」
「なんだとっ?!こんにゃろ!」
「相手はカナヲだぞ。いきなり手なんか握ったら秒で逃げてくわ!そもそも炭治郎はお前みたいにちゃらついてねえんだからそんなことできるか馬鹿!」
「いいや、炭治郎は光希を触る。女の子に触れるんだこいつは」
「それは相手が俺だからだろっ!」
「そこがおかしいっつってんだろっ!」

「だから、炭治郎は好きな子には手ぇ出せねえの。わかる?」
「わからん!」

「……はぁ、もういいわ」

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