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雷鳴に耳を傾けて【鬼滅の刃】我妻善逸

第52章 協同逢瀬作戦


いろいろ話を聞いた炭治郎は落ち着き、そしてしょんぼりした。

「そうか……、善逸のお師匠さまの……。取り乱してごめん」
「ううん、気にしないで炭治郎。そりゃ驚くよね。あ、私の状況が状況なだけに、この事は伏せといてね」
「わかった」


炭治郎は一度箸を置き、二人に頭を下げる。


「我妻善逸様、如月光希様、この度はご結婚おめでとうございます。心より祝福を申し上げます」

「仮だっつの。真面目かよ」
「こら、善逸」
「………ありがとうございます」
「ありがとうございます、炭治郎。えへへ」

三人で頭を下げ、笑い合った。


食べ終わると光希が洗い物をして、男子二人は客間でお茶を飲む。

夜も更けた。
肌寒い季節になってきたので、善逸は炭治郎に羽織を着せる。


「二人は……どんどん進んでるんだな」
「なんかな。進めようとしたわけじゃないんだけど。勝手にそうなってったかな」
「仮祝言か……」
「お前にはもっと早く言いたかった。俺たちが付き合う前から、お前はずっと気にしてくれたのに……ごめん炭治郎」
「いや、気にしないでくれ。教えてくれてありがとう。光希を頼むぞ」
「ああ」


「それにしても凄いな。俺がもたもたしてる間に……」
「お前はゆっくり過ぎなの。カナヲちゃん、ずっとお前の言葉を待ってんだぞ」
「そう、なのかな」
「光希が言うんだ。間違いねえ」
「確かに、光希が言うならそうなのかな、って思うな」

「……あいつの言葉には力がある」
「そうだな」
「だから、総司令官なんてものにされたんだろうな」
「嫌がっただろ?」
「そりゃあな。……炭治郎、俺はお前の言葉にも力があると思うよ」
「俺?」
「ああ。やっぱりおまえと光希は似てる」
「そうかな」
「だから、お前はその言葉をカナヲちゃんにかけてやれ。な」


そこへ光希の声がする。

「二人とも、いいか」

男仕様の声だった。


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