第52章 協同逢瀬作戦
光希が風呂からあがると、三人でご飯を食べる。
基本的に食器はニセットしかないので、まちまちの皿によそう。箸と湯呑は余分にあったので、予備の分を炭治郎に使ってもらう。
善逸と炭治郎が隣同士、二人の向かい側に光希が座る。
「いただきます」
三人で手を合わせて晩御飯を食べる。
「うん、美味しいよ!」
「よかった」
「善逸のご飯、美味しいでしょ?」
「愛情が調味料なだけのことはあるな」
「あっははは」
「お前、ほんと意地悪だな……洗濯手伝ったのによ」
三人で楽しく食べる。
「なんか、二人は新婚さんみたいだな」
炭治郎が味噌汁をすすりながら笑顔でそう言う。
善逸と光希は目を見合わせる。
「え、えっとぉ……」
「ああ、まあ、その……」
顔を赤らめて二人がそわそわし始める。
炭治郎が首を傾げる。
「ん?どうしたんだ二人とも?」
「あー……、俺たち一応、仮祝言あげたんだ」
「えへへ、報告遅れてごめんね、炭治郎」
「は……?」
「仮だけどな、夫婦なんだ俺たち」
「……はあぁぁぁぁーーーっ??」
炭治郎が面白い顔をして叫んだ。
思わず二人が耳を塞ぐ。
「かかか仮祝言?なんだそれ、俺は聞いてないっ!」
「ご、ごめん炭治郎、ドタバタして言い損なっちゃって」
「善逸まだ十六だろ?祝言だなんて……嫁なんてもらっていいと思ってるのか!ちゃんと光希のこと大事に思ってるのか!どういうつもりなんだ!」
「お、落ち着け炭治郎!」
「落ち着いてられると思うか?俺の大事な光希をっ……!いい加減な気持ちだったら許さないぞ!!」
珍しくヒートアップした炭治郎を慌てて二人でなだめにかかる。
慈悟郎の願いだったこと、報告した第一号は炭治郎であること、籍もいれてないのでとりあえず今まで通りなことを説明した。