第52章 協同逢瀬作戦
「炭治郎、風呂わいてるから入れよ。汗だくだろ。宇髄さん鬼過ぎだよな」
「俺、最後でいいよ」
「駄目だ。お客様が一番目」
善逸に風呂に放り込まれる。
「石鹸とか、何でも好きに使ってくれ」
「ありがとう」
「ごゆっくり。脱衣所に大きめの手拭い置いとくね。部屋着は俺の貸してやるよ。一緒に置いとくから体拭いたらそれ着てくれ」
「わかった、ありがとう」
身体を洗いながら炭治郎は考えた。
……全部が計画されている。二人はいつからこれを考えていたんだろう。そして、一体何をする気なんだろう
湯船に浸かって温まる。
……俺とカナヲの為にこんなにしてくれるんだな。俺も頑張らなきゃ
風呂から出てさっぱりした炭治郎。
二人は台所にいるようだったのでそっと近付いてみると、二人はいちゃつきながら料理をしていた。
「……うん、美味しいっ!」
「どうだ!恐れ入ったか!調味料は俺の愛情だ」
「その調味料の賞味期限は?」
「決まってんだろ、……永遠だ」
「あはは、格好つけてる」
楽しそうに笑っている。
二人とも炭治郎が見たことない顔をしていた。
「あ、炭治郎、お風呂あがった?」
「あ、ああ。お先にありがとう」
「善逸の部屋着、似合ってるよ。さ、善逸も行っといで」
「はーい。じゃ、お先に」
そう言って光希の頬にちゅっと口付けをして台所から出ていく。
炭治郎がまた顔を赤らめた。
「……よし、料理はいいかな。一度火を止めて味を染み込ませよう」
光希が炭治郎に振り向いた。
部屋着に着替えていて、髪もおろしている。
「炭治郎、客間に案内するよ」
女の格好でニコリと笑うと、幼い頃の面影があり、懐かしさがこみ上げた。
「ここね」
「お邪魔します」
炭治郎は着替えた服や刀を持って部屋に入る。
「炭治郎の為に掃除したんだよ。炭治郎が初めてこの部屋使うの」
「そうなんだ。ありがとう」
「掃除したのは善逸だけどね、あはは。あ、今のうちに隊服洗う?まだ日が落ちてないし」
「そうしようかな。タライ借りれる?」
「いいよ、裏庭行こ」
居間を通って裏庭に出て、炭治郎は隊服のシャツや下着類を洗う。
光希は縁側に座って足をぷらぷらさせてそれを見ている。